積立投資だけが救いだった…私の失敗体験

目次

第1章:投資を始めたきっかけ

私が投資を始めたのは2019年。当時は「将来の資産形成のために」といった立派な理由ではなく、楽天銀行のハッピープログラムを達成するためでした。
そのプログラムでは、預金残高や月の取引回数によって優遇が受けられ、30回以上の取引があれば最高ランクに到達できます。私はその条件を満たすため、楽天証券の口座を開き、少額の積立投資を始めました。

動機はあくまで「お得だから」という軽いものでしたが、結果的にこの小さな一歩が、投資という世界に足を踏み入れるきっかけとなったのです。

しかし、その後、世界を揺るがす大きな出来事が起きます。投資を始めて間もなくやってきたのが「コロナショック」。初めて自分の資産が大きく減る場面に直面し、投資の怖さと向き合うことになりました。
この経験が、のちに私にとって大きな学びと気づきにつながっていくのですが、当時はただ「どうしたらいいのか分からない」という不安しかありませんでした。

第2章:初めての暴落体験(コロナショック)

投資を始めて間もなく、私の資産は大きな試練に直面しました。2020年、世界を揺るがした「コロナショック」です。

それまで毎月コツコツと3,000円の積立を続け、少しずつ残高が増えていくのを確認するのが楽しみでした。しかし、あの暴落で状況は一変。画面を開くと、プラスで推移していたはずの資産が一気にマイナスへと転落していました。数字が赤字に変わっていくのを見て、心臓がドキッとしたのを今でも覚えています。

「このまま持っていて大丈夫なのか…?」
「もっと下がったら取り返しがつかないのではないか…?」

そんな不安に駆られ、冷静さを失った私は、一部を慌てて売却してしまいました。後から考えれば、あの判断こそが典型的な“初心者の失敗”でした。

本来なら「長期投資だから焦らなくていい」「下がったときこそ積み立てのチャンス」と割り切るべきだったのに、当時の私は知識も経験も浅く、ただ数字が減っていく恐怖に耐えられませんでした。

この体験は、私に投資の本当の難しさを教えてくれました。数字の上げ下げ以上に怖いのは「自分の感情に振り回されること」だと。

第3章:2024年8月の暴落体験

コロナショックを経験した後も、私は積立投資を細々と続けていました。少しずつ金額を増やしながら続けるうちに、資産は気づけば大きく膨らみ、プラス40%もの含み益が出ていた時期もありました。数字が順調に伸びていくのを見て、「やはり積立投資は安心できる」と自信を持ち始めていたのです。

しかし、2024年8月。再び市場は大きく揺れました。日本では日経平均が一日で12%以上も急落し、世界中で株価が大きく下がる“歴史的な暴落”が発生しました。背景には日銀の利上げやキャリートレードの巻き戻し、アメリカの雇用統計の悪化など、複数の要因が重なっていました。

私の資産も例外ではなく、40%のプラスだった評価額はあっという間にマイナスへ。数字が赤字に転落するのを見て、あの時のコロナショックと同じように「怖い」という感情が一気に込み上げました。

チャートを開くと、大きな陰線が並び、まるで底なしに落ちていくような気配。頭では「ここで買い増しできれば後で大きなリターンにつながる」と分かっていても、体が動きませんでした。「まだ下がるかもしれない」「買った瞬間にさらに損が膨らむのではないか」と考えると、勇気を出して購入ボタンを押すことができなかったのです。

結局、私は大きな買い増しはできませんでした。ただ、毎月設定していた積立投資だけは自動的に行われており、結果的に“底値に近い価格”でも少しずつ購入できていたのが唯一の救いでした。

このとき痛感したのは、「感情に左右されると絶好のチャンスを逃す」ということ。頭では分かっていても、実際に行動できなければ意味がないのだと強く感じました。

第4章:学びと心境の変化

コロナショック、そして2024年8月の暴落。二度の大きな下落を経験したことで、私はようやく「投資で一番難しいのは自分の感情をコントロールすること」だと実感しました。

最初の暴落では恐怖に耐えきれずに一部を売却。二度目の暴落では「買い増しのチャンス」と分かっていながら行動できないまま、相場が反発していくのをただ眺めていました。
つまり私は、「売るべきでないときに売り、買うべきときに買えなかった」のです。

唯一の救いは、積立投資を止めずに続けていたことでした。設定さえしておけば、怖くて動けない自分に代わって、自動的に淡々と買い付けてくれる。そのおかげで、暴落の底値付近でもしっかり資産を積み増すことができていました。

この経験から、私は次のことを学びました。

  • 相場が下がっても、焦って売却しない
  • 下落局面こそ長期的には「安く買えるチャンス」と捉える
  • 感情に左右されないために、積立投資という仕組みに頼る

そして実際に、この学びは今年(2025年)に活かせました。4月に相場が下がったときには、「あのとき買えなかった自分を繰り返さない」と心に決めて買い増しを実行できたのです。小さな一歩でしたが、過去の失敗が確実に自分を成長させていると感じました。

投資の世界では「長期的に見れば右肩上がり」という歴史的なデータがあります。頭では知っていても、実際に相場が急落したときにその事実を信じて行動できるかどうかが分かれ目になります。これからも私は、過去の失敗を忘れずに「勇気をもって相場と向き合う」姿勢を持ち続けたいと思います。

まとめ:読者へのメッセージ

投資を続けていると、必ず一度は「怖くて動けなかった」という経験をするのではないでしょうか。
私自身も、コロナショックで資産が真っ赤になり、一部を売却して後悔しました。そして2024年8月の暴落では、分かっていながらも買い増しに踏み出せず、チャンスを逃しました。

振り返ってみると、どちらのときも共通していたのは「不安や恐怖に押しつぶされそうになる自分」でした。投資における最大の敵は、相場そのものではなく、自分の感情なのだと身をもって感じました。

それでも積立投資を続けていたおかげで、少しずつ資産を積み上げることができました。自分で判断できなくても、仕組みが代わりに淡々と動いてくれることが、どれだけ心強かったか。これは私にとって本当に救いでした。

もしこの記事を読んでいるあなたが、暴落を前にして「怖い」と感じたことがあるなら、それは決してあなただけではありません。私も同じですし、きっと多くの投資家が通ってきた道です。
だからこそ、下落相場に直面して動けなかった自分を責める必要はありません。むしろその経験こそが、次に同じ局面に立ったときの糧になります。

投資に“完璧”はありません。誰もが失敗し、後悔しながら、それでも少しずつ学んでいく。私の体験談が、同じように悩んでいる誰かの「共感」や「安心」につながれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

だっちのアバター だっち 会社員投資家

20代後半の会社員投資家です。
「経済的自由=FIRE」を目指し、インデックス投資・個別株・FXを実践中。
初心者にもわかりやすく資産運用の情報を発信しています。
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