はじめに
投資を始めたばかりの頃、私は「徹底的に調べた銘柄なら絶対に勝てる」と信じていました。
証券会社のレポート、決算短信、業界ニュース、SNSの評判まで──あらゆる情報を集めて「これなら間違いない」と確信して投資したのです。
しかし現実は非情でした。100万円を投じた銘柄は思惑どおりには動かず、損切りできないまま3年間も塩漬け状態に…。
この記事では、そのときの失敗の全容と、そこから学んだ教訓をお伝えします。
個別株に挑戦したきっかけ
最初は投資信託から始めていました。積立NISAでインデックスファンドを買って「資産形成って意外とシンプルなんだな」と感じていた頃です。
ところが、SNSや投資系YouTubeを見ていると「個別株で大きく儲かった」という体験談がたくさん出てきます。
私も「自分でしっかり調べれば勝てるはず」と思い、個別株投資にチャレンジすることを決意しました。
当時の気持ちは──
- 「インデックスは安定しているけどリターンが物足りない」
- 「個別株なら一発で資産を増やせるかもしれない」
- 「せっかく投資をするなら、自分の知識を試してみたい」
そんな期待でいっぱいでした。
銘柄選びと徹底的な情報収集
選んだのは成長性があるとされていた新興企業の株。
私は以下のように徹底的に調べました:
- 決算書の読み込み:売上高・営業利益・純利益の推移
- 業界ニュース:新製品の発表や市場シェアの動向
- アナリストレポート:強気な評価が多い
- SNSや掲示板:個人投資家からも「将来有望」との声
「これだけの材料が揃っているなら、株価は伸びるはずだ」と自信満々でした。
しかも当時は株価が上昇基調にあり、買いのタイミングも悪くないように見えました。
私は思い切って100万円を投資しました。
「3年後には倍になっているだろう」と本気で思っていました。
株価下落と「一時的な調整」という思い込み
投資直後、株価はやや上昇して順調に見えました。
しかし数ヶ月後から下落が始まります。
- 最初の下落:「一時的な調整だろう」
- さらに下落:「この業績なら戻るはず」
- 決算ミスで急落:「市場が過剰反応しているだけ」
気づけば含み損は20万、30万と膨らみ、100万円投資したうちの半分近くが失われる状態に…。
それでも私は売れませんでした。なぜなら、
「ここまで徹底的に調べたんだから、絶対に正しいはずだ」
という強い思い込みがあったからです。
損切りできなかった理由
今振り返れば、損切りできなかったのは完全に自分の感情に負けていたからです。
「調べた努力」を否定したくなかった
数週間かけて決算資料を読み、レポートを集め、ノートにまとめた。
その労力を無駄にしたくない気持ちがありました。
自分の判断を守ろうとした
「自分は正しかった」と証明したい気持ちが強く、株価の下落を認められませんでした。
損切りルールを決めていなかった
「◯%下がったら売る」という基準を最初から設定していなかったため、ズルズルと引きずってしまいました。
3年間の塩漬け生活
結局、その銘柄は3年間もの間、私の資金を拘束しました。
- 100万円が60万円程度まで目減りした
- その間、資金を別の投資に回せなかった
- 毎日株価を見るたびにストレスを感じた
一番辛かったのは「資産形成のチャンスを逃した」ことです。
もし同じ100万円をインデックスに投資していたら、3年でプラスになっていたのに…。
この失敗から学んだこと
この経験から、私は次の教訓を得ました。
- どれだけ調べても未来は分からない
→ 株価は予測不可能な要素で動く。業績が良くても下がることはある。 - 損切りルールを必ず決める
→ -10%なら売る、など事前にルールを決めておかないと感情に流される。 - 個別株は“遊び”に留める
→ 今は資産形成の中心はインデックス投資。個別株は余剰資金で少額のみ。 - 市場に謙虚になる
→ 「自分が正しい」と思い込むほど失敗する。市場は常に上。
今の投資スタイル
この失敗以降、私は投資信託・ETFを中心に資産形成しています。
- 毎月の積立NISA:全世界株式(オルカン)、S&P500
- 個別株:ほんの一部、学びや趣味として少額だけ
こうすることで「資産形成の安定性」と「投資の楽しさ」を両立できています。
まとめ
100万円を投じて3年間塩漬けになった経験は、私にとって大きな学びでした。
- 「調べたから大丈夫」という思い込みは危険
- 損切りルールを決めないと感情に流される
- 資産形成の軸はインデックスやETFに置くべき
投資は知識や努力だけでは勝てません。大事なのは「ルール」と「感情をコントロールする仕組み」です。
もしこの記事を読んでいるあなたが同じ状況に陥っているなら、どうか私の失敗を反面教師にしてください。
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