「なぜ、あの時あんなに焦ってしまったんだろう。」
投資を始めたばかりのころ、私は何度もそう思いました。
SNSやニュースでは「株で大儲け」「仮想通貨で倍になった」といった言葉が飛び交い、
自分だけが取り残されているような感覚に陥っていました。
「今買わなきゃ損をする」
「もっとリターンを狙わないと意味がない」
そんな焦りから、投資額を増やし、リスクの高い銘柄に手を出した結果──
わずか数ヶ月で数十万円の含み損を抱えることに。
けれど、その中で気づいたのです。
“投資で一番大切なのは、利益を追うことではなく、続けること”だと。
この記事では、私自身が経験した“失敗から立ち直るまでの過程”をもとに、
積立投資がどのようにして私を救ったのかをお伝えします。
投資を始めたきっかけは「焦り」だった
まわりが儲かっているように見えた
私が投資を始めたのは社会人3年目。
ある程度の貯金ができて、「このまま銀行に寝かせていても意味がない」と思ったのがきっかけでした。
最初は軽い気持ちでYouTubeやSNSを見て情報を集めていましたが、
そこには“短期間で何倍になった”という派手な成功談ばかり。
「自分もやらなきゃ出遅れる」
そんな心理に飲み込まれ、よく理解もしないまま米国個別株や仮想通貨に手を出しました。
当時の私は、“リスク”よりも“リターン”しか見えていなかったのです。
一瞬の利益に浮かれて、そして失った
最初の数回は偶然うまくいきました。
買った銘柄が短期間で上がり、「投資って意外と簡単じゃない?」と思ってしまったのです。
しかしその“自信”が油断につながりました。
利益が出た分をさらにリスクの高い銘柄に回し、
気づけばポートフォリオはハイリスク商品ばかりに。
その後、市場の調整が入り、
一週間で評価額が−20%を超える下落。
グラフを見るのが怖くなり、スマホを開くたびにため息が出る日々が続きました。
失敗を通じて気づいた“積立投資”の価値
「一度に買う」ことの怖さを知った
相場が下がるたびに、「今が買い時かもしれない」と思って大きく買い、
上がれば「もっと上がるはずだ」と追加購入。
振り返れば、感情で投資していたことが一番の問題でした。
その結果、購入タイミングがバラバラで、平均取得価格も高止まり。
気づけば「利益を出す」どころか、「損失を抑える」ことに必死になっていました。
そんなとき、SNSでたまたま見かけた言葉が心に刺さりました。
“投資は、買う勇気よりも、持ち続ける覚悟が大事。”
この一文で、私は自分が“焦って結果を求めていた”ことに気づいたのです。
少額でも「続ける」ことの強さを知った
そこから私は、積立投資(ドルコスト平均法)へ切り替えました。
「毎月決まった金額をコツコツ投資する」──それだけの単純な方法です。
最初は月1万円から。
「たった1万円で何が変わるんだろう」と思いながらも、
一度設定してからは自動で投資されるので、感情に左右されることがなくなりました。
数ヶ月後、相場が下がっても「安く買えてラッキー」と思えるようになり、
上がっても「積み上がってきた」と前向きに感じられるようになりました。
✔️ 損をしない人ではなく、“続けられる人”が最終的に勝つ。
焦っていた頃とはまったく違う、“落ち着いた投資”ができるようになった瞬間でした。
「積立=退屈」ではなく「積立=安心」
以前は、「積立投資は地味」「一気に増えないから効率が悪い」と思っていました。
でも実際に続けてみると、積立こそが最もストレスの少ない投資法だと感じています。
相場を毎日チェックしなくてもいい。
買う・売るを判断しなくていい。
ただ毎月、一定の金額を自動で積み立てるだけ。
結果として、「長く続けられる仕組み」ができたことが、
私にとって一番の収穫でした。
積立投資で変わった“お金との向き合い方”
「増やす」よりも「守る」意識が芽生えた
焦っていた頃の私は、常に“どれだけ増やせるか”しか考えていませんでした。
しかし積立投資を続けるうちに、
「どれだけ守れるか」「どれだけ続けられるか」という視点が自然と身につきました。
例えば、毎月一定額を積み立てていると、
相場が下がっても「買うタイミングが分散されているから大丈夫」と思える。
つまり、下落=チャンスと捉えられるようになったのです。
お金を“増やす対象”から、“味方につける存在”へと考え方が変わった瞬間でした。
「感情」ではなく「仕組み」で投資する
積立投資の最大の魅力は、自分の感情を投資から切り離せることです。
以前は、相場が上がれば嬉しくて買い増し、
下がれば不安になって売ってしまう──そんな典型的な失敗パターンでした。
今は、毎月自動で10万円(NISA枠)を積み立てているだけ。
どんな相場でも「ルールを守る」ことが最優先になりました。
人はどうしても感情に左右されます。
だからこそ、感情を排除する“仕組み”を作ることこそが投資の成功法則だと実感しています。
💡 積立=感情をなくす“最強のルール”
「時間を味方につける」ことの大切さ
積立投資を始めてから数年。
今では、毎月の積立額を確認するのが楽しみになりました。
“少しずつしか増えない”と思っていたはずが、
気づけば数十万円、数百万円と積み上がっている。
これは、私が特別な投資をしたからではありません。
ただ「時間を味方につけた」だけ。
焦らず、止めず、続ける。
それだけでお金は着実に成長していく──
積立投資は、それを自分の目で確かめさせてくれた方法でした。
焦って失敗した過去の自分に伝えたいこと
「一気に増やす」より「続けること」が何より強い
もしあの頃の自分に会えるなら、
「焦らなくていい」と伝えたいです。
短期間で結果を出そうとすればするほど、
投資は“自分との戦い”になります。
相場に勝つことよりも、自分の感情に負けないことのほうがずっと難しい。
でも積立投資は、その弱さを前提に作られた“味方”のような仕組みです。
自分の判断ではなくルールに従うことで、
「焦り」「後悔」「迷い」から自然に距離を置けます。
💬 過去の自分に言いたい。
「最短ルートでお金を増やす方法」なんてない。
でも、“最も確実に増やす方法”は積立投資だよ、と。
「成功者の真似」ではなく「自分のペース」を守る
SNSでは毎日のように「この株が上がった」「仮想通貨で数倍」といった話が流れます。
そうした情報を見ていると、
「自分も何か行動しなきゃ」と焦るのは当然のこと。
でも、投資には“それぞれのゴール”があります。
他人が短期間で利益を出しても、
自分が同じ結果を出せるとは限りません。
むしろ、自分の生活リズムと心の安定を守ることこそが、長く続ける秘訣。
積立投資は、まさにその“自分らしいペース”を維持できる方法だと感じています。
「お金を育てる」とは、“自分を育てる”こと
投資を始めた頃の私は、
「お金を増やすこと」ばかり考えていました。
でも今は、投資を通じて“自分自身の考え方”が育っていると感じます。
・焦らず待つ力
・数字に一喜一憂しない冷静さ
・長期的に物事を見られる視点
これらは投資だけでなく、仕事や人生全体にも良い影響を与えました。
💡 積立投資は、「お金を増やす練習」ではなく、「自分を成長させる練習」。
まとめ|焦らず積み上げることが最大の武器
投資を始めたばかりの頃、私は“早く増やしたい”という気持ちばかりでした。
しかし今思うのは、「焦らないこと」こそ最大の武器だということです。
積立投資は派手さこそありませんが、
誰でも・いつからでも始められて、
感情に左右されずに“確実に前に進める”唯一の方法です。
相場の波に飲み込まれそうなとき、
他人の成功話に心が揺れそうなとき、
そんな瞬間こそ「自分のルール」を信じて積み立てを続ける。
それが、どんな投資法よりも長く・強く・安心できる戦い方だと思います。
積立投資が教えてくれたこと
- お金を増やすには、焦らず続けること
- 相場はコントロールできないが、「自分の行動」はコントロールできる
- 短期の利益より、長期の信頼を積み上げる方が価値がある
そして、何よりの学びは──
「お金を守る力」は“経験”からしか身につかないということ。
失敗を経て、積立を続ける中で、
ようやく“自分なりのペース”を見つけることができました。
未来の自分へ
積立投資を始めた頃は、1万円がやっとでした。
でも今では、毎月10万円を積み立てることが日常になっています。
焦らずコツコツ続けてきた時間が、
将来の安心や自由に確実につながっていると感じます。
「もっと早く始めればよかった」と思うかもしれません。
けれど大事なのは、“今始めること”。
今日という日が、これからの10年を変える第一歩になります。

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