「S&P500とオルカン、どっちに投資したらいいの?」
これは投資初心者だけでなく、経験者でも悩む永遠のテーマです。
どちらも人気のインデックスファンドであり、新NISAの登場によって、若い世代を中心に注目が集まっています。
私自身も20代で資産運用を始めたとき、最初に直面したのがこの「どっち問題」でした。
SNSでは「S&P500一択!」という意見もあれば、「オルカン(全世界株式)で分散が最強!」という声もあり、正直、どちらを選ぶべきか分からなくなったのを覚えています。
ですが数年運用してみて感じたのは、”どちらが正解かではなく、自分の目的に合っているか”が大事ということ。
この記事では、S&P500とオルカンの特徴と違い、それぞれのメリット・デメリット、20代投資家の私が実際にどう選んだかを、実体験を交えて分かりやすく整理していきます。
S&P500とオルカン、まずは”中身の違い”を知る
投資を始めたばかりの頃、私は「どっちも同じようなもの」だと思っていました。でも実際に内容を比べてみると、投資先の範囲がまったく違うのです。
基本的な違い
| ファンド名 | 投資対象 | 主な国・地域 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 米国の代表500社 | アップル、マイクロソフト、アマゾンなど | 米国経済の成長を取り込める |
| オルカン(全世界株式) | 世界の先進国+新興国約50か国 | 米国・日本・欧州・インドなど | 世界経済全体に分散投資できる |
この違いを一言でまとめると、
- S&P500:集中投資(米国1本勝負)
- オルカン:分散投資(世界全体に広げる)
です。
米国の成長に賭けるか、世界の平均に乗るか
S&P500は、米国の代表企業にまとめて投資できるファンド。「アメリカの未来に賭ける」イメージが強い商品です。
一方、オルカン(全世界株式)は、米国・日本・欧州・新興国などをすべて含んでおり、「世界全体の成長をまるごと取り込む」ことができます。
つまり、
- S&P500 → 成長スピードを狙う”攻め”の投資
- オルカン → 分散と安定を重視する”守り”の投資
このように目的が異なるため、どちらが優れているかは人によって変わると考えられます。
関連記事:インデックス投資の魅力|初心者が安心して資産を育てられる理由
S&P500の魅力と注意点
世界最強の経済大国「アメリカ」に投資できる
S&P500の最大の魅力は、アメリカという”世界最大級の経済圏”にそのまま投資できることです。
S&P500に含まれる企業は、アップル・マイクロソフト・アマゾン・グーグルなど、誰もが知るグローバル企業ばかり。これらは世界中でビジネスを展開しており、一国の景気に依存しにくいのが特徴です。
実際、S&P500指数の長期リターンは過去30年間で年平均約7〜10%(ドルベース)という実績があります。2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックを経ても、長期的には右肩上がりの成長を続けてきました。
S&P500は「世界の経済成長の中心を掴む」投資と言えるでしょう。
為替の影響はあるが、長期ではプラスに働く可能性も
S&P500は米ドル建てのファンドです。そのため、円高・円安の影響を受けやすく、短期的には為替変動で評価額が上下することがあります。
しかし、長期で見ると円安傾向が続く場合には追い風になるケースもあります。たとえば、2020年から2025年にかけて、ドル円は約105円 → 150円台まで円安が進行しました。この間、為替差益によって日本円ベースのS&P500投資家はリターンをさらに押し上げられた形になりました。
為替はリスクでありながら、長期では「日本人にとってのプラス要因」になる可能性もあります。
関連記事:ドル円150円台時代の投資戦略|為替リスクと賢いアセット配置
リスク:米国一国集中ゆえの偏りもある
一方で、S&P500のデメリットは、米国一国に集中している点です。米国市場が長期的に停滞すれば、ファンド全体も影響を受ける可能性があります。
また、構成銘柄の約30%を「テック企業(ハイテク)」が占めており、株価が上がる時は強い反面、下落時のインパクトも大きくなる傾向があります。
たとえば2022年の金利上昇局面では、S&P500は1年で約−18%下落。一時的に大きな含み損を抱えた人も多かったはずです。
米国の強さを信じる投資ではありますが、「上がる年もあれば下がる年もある」と冷静に受け止める姿勢が大切です。
関連記事:暴落はギフト──積立投資が市場下落で勝てる科学的理由
オルカン(全世界株式)の魅力と注意点
世界中の成長を”まるごと”取り込める
オルカン(全世界株式)は、約50か国・数千社の株式に分散投資できるファンドです。正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、日本人投資家の間では「オルカン」という愛称で親しまれています。
このファンドの最大の特徴は、「どの国が成長しても恩恵を受けられる」こと。
米国、日本、欧州、中国、インドなど、世界の主要市場を1本でカバーできるため、将来どこか1つの国が成長しても、その恩恵を自動的に取り込める可能性があります。
オルカンは「世界経済の平均点を狙う投資」と言えるでしょう。
「分散」の力でリスクをやわらげる
S&P500のように特定の国に集中するのではなく、オルカンは世界全体へ分散することで、ある地域の不況を他の地域が補うという”リスク分散効果”が期待できます。
たとえば、アメリカ市場が下がっても、インドや欧州が上がれば全体では安定する可能性があります。こうした構造が、長期的な値動きを”なだらか”にしてくれると考えられています。
実際、2022年のように米国株が下落した年でも、オルカンは世界全体で見るとS&P500ほどの急落にはなりませんでした。
「上がるときの勢いよりも、下がるときの安心感」。それがオルカンの強みの一つです。
一方で、”平均”ゆえの物足りなさもある
全世界に分散しているということは、”伸びる国と伸びない国の平均を取る”ということでもあります。
そのため、米国が強い時期には、S&P500よりもリターンが劣る傾向があります。
たとえば、直近5年(2020〜2025年)では、
- S&P500:年平均+12〜14%(概算)
- オルカン:年平均+9〜10%(概算)
と、数%の差が出ているというデータもあります。
オルカンは「最強」ではなく、「安定」。派手さはないけれど、世界経済を信じる人に向いた選択肢と言えるでしょう。
関連記事:20代・30代のための資産配分戦略──株式・債券・オルタナティブの役割とリバランスの重要性
S&P500とオルカン、どちらを選ぶべき?20代投資家の実体験
私が最初に選んだのは「S&P500」
投資を始めたばかりのころ、私はS&P500に全力投資していました。理由は単純で、SNSでもYouTubeでも「S&P500最強!」という声が圧倒的に多かったからです。
「アメリカの成長に乗れば間違いない」
「過去のチャートを見ても右肩上がり」
その言葉に後押しされ、NISAの積立枠をすべてS&P500に設定。最初の1〜2年は、まさに順調そのものでした。
しかし、2022年の米国株下落局面で評価額が大きく下がったとき、”米国一国に偏っているリスク”を実感。そこから私は、オルカンも一部取り入れるようになりました。
両方を持って感じた「性格の違い」
S&P500とオルカンを同時に積み立ててみると、値動きのリズムがまったく違うことに気づきました。
- S&P500:上昇も下落も大きく、感情が動きやすい
- オルカン:値動きが穏やかで、精神的に落ち着く
特に、相場が荒れている時期はオルカンの方が安心感があります。逆に、米国市場が好調な時はS&P500の伸びが目立ちます。
つまり、
- S&P500=スピード重視(伸び率を狙いたい人向け)
- オルカン=安定重視(波に強くコツコツ派向け)
という”性格の違い”があると感じました。
私の現在のポートフォリオ
今の私は、
- S&P500:6割
- オルカン:4割
という比率で積み立てています。
S&P500でリターンを取りに行きつつ、オルカンで世界全体のリスク分散をしているイメージです。
実際にこの構成にしてから、相場が下がっても以前ほど不安にならなくなりました。”どちらかが下がっても、もう一方が支えてくれる”という安心感があります。
「どちらか1本に絞る」より、「どちらも持つ」方が心が安定する。特に長期投資では、この”メンタルの安定”がリターンにつながる可能性があります。
関連記事:積立投資だけが救いだった──焦りの投資から学んだ「ブレない運用」の大切さ
目的別・タイプ別のおすすめの選び方
① まずは「自分の目的」をはっきりさせる
S&P500とオルカン、どちらを選ぶべきか悩んだとき、一番大切なのは「どんな未来を目指して投資しているのか」を考えることです。
- 老後資金をゆっくり育てたい
- 10〜20年後のFIRE(早期リタイア)を目指したい
- 将来の住宅・教育資金を準備したい
この目的によって、選ぶべきファンドは変わってきます。
投資は「目的ありき」。目的が定まれば、迷いも少なくなります。
② “成長重視”ならS&P500がおすすめ
S&P500は、リターンの伸びしろを重視する人に向いていると考えられます。
- 米国のテクノロジーやイノベーションを信じている
- 短期的な値動きにもある程度耐えられる
- 将来のリターンを優先したい
こうしたタイプの人にはS&P500が合っている可能性があります。特に20代〜30代など、投資期間が長く取れる人にとっては、米国の成長力を味方につける戦略は有効という見方もあります。
攻めの投資で資産を増やしたい → S&P500
③ “安定重視”ならオルカンがおすすめ
一方で、「大きく増えなくてもいいから、安定して育てたい」「国や通貨の偏りが不安」という人は、オルカンが向いている可能性があります。
- 世界中に分散して、長く持ちたい
- 為替や米国株の影響をやわらげたい
- 積立を”放置”して安心して続けたい
という人にとって、オルカンは心強い選択肢です。
コツコツ型・安心感重視 → オルカン
④ 両方を組み合わせるのも”正解”
実は、どちらか一方に絞る必要はありません。S&P500とオルカンを組み合わせれば、リターンと安定の”いいとこ取り”ができる可能性があります。
- 成長を取りたい部分 → S&P500
- リスク分散したい部分 → オルカン
このように比率を調整することで、市場環境の変化にも強いポートフォリオを作れる可能性があります。
「迷ったら半々で始める」も立派な戦略。続けながら、自分に合う比率を見つければOKです。
関連記事:【体験談】新NISAの仕組みと私の活用法|積立枠×成長枠で”非課税の恩恵”を最大化する方法
まとめ|”どっちが正解か”より、”続けられる方”を選ぶ

S&P500とオルカン、どちらを選ぶべきか。この問いには、「絶対の正解」はありません。
それぞれに強みと弱みがあり、最終的には「自分の目的・性格・投資スタイル」によって答えが変わります。
投資で一番大切なのは「続けられるかどうか」
どんなに優れたファンドでも、相場が下がったときに焦って売ってしまえば意味がありません。一方で、値動きが穏やかで「安心して続けられる」投資なら、長期的に見て結果は自然とついてくる可能性があります。
“勝てるファンド”より、”続けられるファンド”を選ぶ。
これは私自身、S&P500とオルカンの両方を経験して実感したことです。
時間を味方につけるのが、20代投資家の最大の武器
20代・30代のうちに始める最大のメリットは、「時間」を味方につけられること。
どちらを選んでも、コツコツと10年、20年続けることで、複利の力が資産を大きく育ててくれる可能性があります。
- 途中で迷ったら「目的」に立ち返る
- 急がず焦らず、積み立てを止めない
- 相場を”敵”ではなく”味方”にする
これさえ守れば、S&P500でもオルカンでも、しっかりと成果は積み上がっていく可能性があります。
“正解のない選び方”こそ、あなたの答えになる
S&P500は「攻め」、オルカンは「守り」。どちらも世界経済の成長を取り込む、すばらしい投資手段です。
最初は迷って当然。でも、始めてみれば少しずつ”自分に合う選び方”が見えてきます。
- 迷う時間も含めて、投資は経験
- “自分で考えて選ぶ”ことが、最大のリターンになる
関連記事:20代から始める資産運用|FIREを目指す私の投資方針と実体験
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過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
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参考サイト
- 金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」
- 金融庁「NISA特設サイト」
- 投資信託協会「投資信託の基礎知識」
- 日本証券業協会「投資の時間」
- S&P Dow Jones Indices「S&P 500」

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