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FANG+やS&P500トップ10が人気でも、私が選ばない理由

目次

はじめに

「FANG+が爆上がりしてるらしい」「S&P500トップ10(メガテン)が話題」。最近、こうした声をSNSでよく見かけます。

実際、これらのファンドは過去数年のリターンが非常に高く、人気を集めています。過去10年では、S&P500を大きく上回るリターンを記録した時期もあります。

でも、私はこれらのファンドを積立対象にしていません。

この記事では、FANG+やS&P500トップ10が何なのかを整理しつつ、私が選ばない理由をお話しします。「話題だから買う」ではなく、自分の投資方針に合っているかどうかを考える参考になれば幸いです。

※本記事は2025年12月時点の情報をもとにしています。

関連記事:NASDAQ100とは?S&P500との違いと、私が積立に加えた理由


この記事の結論

  • FANG+やS&P500トップ10は、テック大手に集中投資する「攻め」のファンド
  • 過去のリターンは高いが、信託報酬や銘柄集中リスクを考慮する必要がある
  • 長期投資の基本は「分散」と「継続」。私はそこをぶらさずにいく

※この記事は実体験に基づく内容であり、特定のファンドへの投資を推奨・否定するものではありません。


FANG+とは何か

結論から言うと、FANG+は「米国テック大手10銘柄に均等投資する指数」です。

基本的な仕組み

FANG+(ファングプラス)は、Meta(旧Facebook)、Apple、Amazon、Netflix、Alphabet(Google)、Microsoftの6銘柄を固定とし、残り4銘柄は時価総額や売上高成長率などに基づいて年4回入れ替えが行われます。

現在の構成銘柄には、NVIDIA、Broadcom、CrowdStrike、Snowflakeなどが含まれています(時期により変動)。

特徴的なのは「等ウェイト方式」で、各銘柄を約10%ずつ均等に保有する点です。これにより、特定の大型株に偏らず、10銘柄それぞれの値動きが指数全体に均等に反映されます。

日本で買える主なファンド

日本で購入できる代表的なファンドは「iFreeNEXT FANG+インデックス」です。

項目内容
運用会社大和アセットマネジメント
信託報酬年0.7755%(税込)
純資産総額約1兆円(2025年12月時点)
NISA対応つみたて投資枠・成長投資枠ともに対象

純資産総額が1兆円を超えていることからも、人気の高さが分かります。


S&P500トップ10(メガテン)とは何か

結論から言うと、S&P500トップ10は「S&P500の時価総額上位10社に集中投資する指数」です。

基本的な仕組み

S&P500トップ10指数は、S&P500を構成する約500銘柄のうち、時価総額が最も大きい10社で構成されています。銘柄の入れ替えは年1回行われます。

2025年6月の見直しでは、テスラが新たに追加され、イーライリリーが除外されました。

FANG+との違いは「時価総額加重方式」を採用している点です。つまり、時価総額が大きい銘柄ほど指数への影響が大きくなります。

日本で買える主なファンド

日本で購入できる代表的なファンドは「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)」です。

項目内容
運用会社アモーヴァ・アセットマネジメント
信託報酬年0.10725%(税込)
設定日2024年5月16日
NISA対応成長投資枠のみ(つみたて投資枠は対象外)

信託報酬はFANG+と比べて大幅に低いのが特徴です。


FANG+とS&P500トップ10の比較

両者の違いを整理します。

項目FANG+S&P500トップ10
銘柄数10銘柄10銘柄
構成方式等ウェイト(各10%)時価総額加重
銘柄入替年4回年1回
信託報酬(代表ファンド)0.7755%0.10725%
NISA対応つみたて・成長投資枠成長投資枠のみ
特徴テック特化・成長重視S&P500上位に連動

どちらも「10銘柄に集中投資」という点では共通していますが、構成方式やコストに違いがあります。


私がFANG+やS&P500トップ10を選ばない理由

理由1:信託報酬が高い(FANG+の場合)

FANG+の信託報酬は年0.7755%です。これに対して、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬は年0.09372%。約8倍の差があります。

長期投資では、信託報酬の差が複利で効いてきます。仮に20年間投資した場合、0.7%の差は無視できないコストになります。

もちろん、「コストを上回るリターンが出れば問題ない」という考え方もあります。実際、過去のFANG+のリターンはS&P500を大きく上回っています。

ただ、過去のリターンは将来を保証しません。私は「高いコストを払ってでも選ぶ理由があるか」を考えたとき、そこまでの確信が持てませんでした。

S&P500トップ10の信託報酬は0.10725%と低いので、この理由は当てはまりません。ただ、次の理由が適用されます。

理由2:今のトップ企業が今後もトップとは限らない

これが最も大きな理由です。

FANG+やS&P500トップ10は、「今、最も成功している企業」に投資するファンドです。Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon…確かに、これらは現在の世界経済を牽引する超一流企業です。

でも、10年後、20年後も同じ企業がトップにいるでしょうか。

歴史を振り返ると、かつてのトップ企業が凋落した例は数多くあります。2000年代初頭、世界最大の時価総額を誇っていたのはGE(ゼネラル・エレクトリック)でした。当時「優良株の代名詞」とされていた企業です。現在のGEの株価は、当時の面影はありません。

もっと身近な例では、2000年のITバブル時代にはCisco、Intel、Oracleなどが「未来の覇者」とされていました。これらの企業は今も存続していますが、当時の株価を超えられていない銘柄もあります。

FANG+の構成銘柄も、過去にはTwitter(現X)やAlibaba、Teslaが含まれていた時期がありました。銘柄の入れ替えは行われますが、「入れ替え時点ですでに株価が下がっている」可能性もあります。

理由3:インデックス投資の基本は「分散」と「継続」

私が投資で大切にしているのは、「長期・分散・積立」という基本原則です。

S&P500やNASDAQ100は、100〜500銘柄に分散されています。一方、FANG+やS&P500トップ10は10銘柄のみ。分散効果という意味では、大きく劣ります。

もちろん、「分散すればリターンも薄まる」という意見もあります。実際、過去のリターンを見ると、集中投資の方が高いリターンを出しています。

ただ、私は「リターンを最大化する」よりも「長く続けられる」ことを重視しています。10銘柄に集中したファンドは、下落局面での変動も大きくなります。2022年のような下落相場では、FANG+はS&P500を大きく上回る下落率を記録しました(※期間や算出方法によって数値は前後します)。

その下落に耐えられるかどうか。私には自信がありませんでした。

関連記事:暴落はギフト──積立投資が市場下落で勝てる科学的理由


「人気だから買う」の危うさ

話題のファンドに飛びつきたくなる気持ちは、よく分かります。私も投資を始めた頃は、SNSで話題の銘柄やファンドに惹かれていました。

でも、投資の世界では「人気が出た時点で、すでに割高になっている」ことが少なくありません。

FANG+やS&P500トップ10の過去のリターンが高いのは事実です。ただ、それは「過去に買っていた人」のリターンです。これから買う人が同じリターンを得られる保証はありません。

むしろ、過去のリターンが高いほど、将来のリターンは低くなる可能性があります。これは「平均回帰」と呼ばれる現象で、長期的には平均的なリターンに収束していく傾向があるためです。


こうした理由から、私は「集中投資ではなく、分散を軸にしたテック投資」を選んでいます。

私の投資方針:分散を維持しつつ、テックにも投資する

では、私はどうしているかというと、「S&P500を土台にしつつ、NASDAQ100でテックへの傾斜を加える」という方針を取っています。

口座投資先月額
企業型DCS&P5003万円
新NISANASDAQ1007万円
新NISATOPIX3万円

NASDAQ100は100銘柄に分散されており、テック企業への投資比率が高い一方で、FANG+ほどの集中リスクはありません。信託報酬も0.2%台と、FANG+より大幅に低いです。

「テクノロジーの成長には投資したいけど、10銘柄への集中は避けたい」。これが私の落としどころでした。

関連記事:20代・30代のための資産配分戦略──株式・債券・オルタナティブの役割とリバランスの重要性


FANG+やS&P500トップ10が向いている人

とはいえ、FANG+やS&P500トップ10が「悪いファンド」だとは思いません。以下のような人には向いている可能性があります。

  • 短期〜中期で高リターンを狙いたい人
  • 値動きの大きさに耐えられるリスク許容度がある人
  • すでにS&P500やオルカンで十分に分散しており、サテライト投資として追加したい人
  • テック企業の成長に強い確信がある人

特に、コア・サテライト戦略として「コア(主軸)はS&P500、サテライト(補助)としてFANG+を少額」という使い方は、理にかなっていると思います。


以上を踏まえると、FANG+やS&P500トップ10は「攻めの選択肢」であり、すべての人に向いているわけではないと感じます。

私の結論:話題のファンドより、自分の投資方針を守る

FANG+やS&P500トップ10は、確かに魅力的なファンドです。過去のリターンは目を見張るものがあり、テクノロジー企業の成長を取り込みたい気持ちは私にもあります。

でも、私が投資で大切にしているのは「続けること」です。

10銘柄への集中投資は、上がるときは大きく上がりますが、下がるときも大きく下がります。その変動に耐えられるかどうか、20年後も同じ気持ちで積み立てを続けられるかどうか。そう考えたとき、私には合わないと判断しました。

投資に正解はありません。FANG+で大きなリターンを得る人もいるでしょう。ただ、話題だからといって飛びつくのではなく、自分の投資方針に合っているかどうかを考えることが大切だと思います。

この記事を書いて感じたこと

FANG+やS&P500トップ10について調べながら感じたのは、「過去のリターンは未来を保証しない」という当たり前の事実でした。

過去10年、テック企業は圧倒的な成長を遂げました。でも、次の10年も同じとは限りません。むしろ、歴史を見れば「今のトップ企業が入れ替わる」方が自然です。

インデックス投資の良さは、「市場全体の成長を取り込める」ことにあります。トップ企業が入れ替わっても、指数自体は新しいトップ企業を自動的に組み入れてくれます。S&P500やNASDAQ100は、まさにその仕組みを持っています。

私は、その仕組みを信じて、淡々と積み立てを続けていこうと思います。

関連記事:20代から始める資産運用|FIREを目指す私の投資方針と実体験


免責事項

本記事は個人の経験・考えに基づく内容であり、特定のファンドへの投資を推奨・否定するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。過去のリターンは将来の運用成果を保証するものではありません。

本記事に記載された情報は2025年12月時点のものです。信託報酬やファンドの内容は変更される可能性があります。最新の情報は各運用会社の公式サイトをご確認ください。


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この記事を書いた人

だっちのアバター だっち 会社員投資家

20代後半の会社員投資家です。
「経済的自由=FIRE」を目指し、インデックス投資・個別株・FXを実践中。
初心者にもわかりやすく資産運用の情報を発信しています。
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