投資を始める前、私は「投資=お金の話」だと思っていました。
しかし、実際に2025年7月から月10万円の積立を始めて半年。最も大きく変わったのは、お金の額ではなく「情報との付き合い方」でした。
毎日追っていた情報が、逆に不要になった。一方で、全く見ていなかった情報が、今では欠かせなくなった。
この記事では、投資を始めてから「見なくなった情報」と「見るようになった情報」を率直に振り返ります。情報に振り回されている方、何を見るべきか迷っている方の参考になれば幸いです。
※本記事は個人の体験と見解に基づく内容です。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な判断はご自身で行ってください。
この記事の要点
① 見なくなった情報
毎日の株価チェック、短期の相場予想、SNSの成功体験マウント
② 見るようになった情報
長期データ・統計、経済ニュースの背景と構造、自分の生活とキャッシュフロー
③ 投資の副作用
情報を減らす勇気が持てた。全部を追わなくていいと気づいた。
投資を始めて気づいた”意外な変化”
投資=お金の話だと思っていた
投資を始める前の私は、投資について「資産を増やすための手段」としか考えていませんでした。
- どの銘柄を買うか
- いくら利益が出るか
- どのタイミングで売買するか
こうした「お金の話」が中心だと思っていました。
実際は「情報との付き合い方」が一番変わった
しかし、実際に積立を始めてから気づいたのは、最も変化したのは「情報との付き合い方」だったということです。
投資を始めると、自然と経済ニュースやSNS、投資系ブログなど、さまざまな情報に触れるようになります。そして、その過程で「どの情報を見て、どの情報を見ないか」という判断が、投資の成否に直結することを学びました。
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見なくなった情報①:毎日の株価・指数の値動き
以前は毎日チェックしていた
投資を始めた当初、私は毎日S&P500やNASDAQ100の値動きをチェックしていました。
朝起きたらまずスマホで前日の米国市場を確認。日中も何度か証券アプリを開いて、含み益が増えたか減ったかを見る。そんな生活が続いていました。
上下で気分が左右されていた
しかし、この習慣は私の精神状態に大きな影響を与えました。
- 株価が上がった日:「このまま上がり続けるかも」と浮かれる
- 株価が下がった日:「もっと下がるのでは」と不安になる
毎日の値動きに一喜一憂し、気分が安定しませんでした。
積立にとって日次の値動きはノイズだと気づいた
ある時、気づいたのです。長期積立において、日々の値動きはノイズに過ぎないということに。
私の投資は長期的な視点で行っています。今日株価が1%上がろうが下がろうが、長期的な資産形成にはほとんど影響しません。
むしろ、毎日チェックすることで感情が揺れ、余計な行動(売却や積立停止)をしてしまうリスクの方が高いと気づきました。
今では、月に1回だけ資産状況を確認するようにしています。日々の値動きを見なくなってから、精神的にずっと楽になりました。
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見なくなった情報②:短期の相場予想・煽りタイトル
刺激が強い情報ほど不安を増やす
投資を始めた頃、私はこんなタイトルの記事をよく読んでいました。
- 「暴落間近!今すぐ逃げろ」
- 「次に来る◯◯銘柄はコレだ」
- 「米国株は終わった」
こうした刺激的なタイトルは、クリックを誘います。そして、読むたびに不安が増していきました。
行動につながらない情報が多い
しかし、冷静に考えると、こうした記事の多くは行動につながらない情報でした。
- 「暴落間近」と言われても、いつ来るかは分からない
- 「次に来る銘柄」は、結局当たらないことが多い
- 「◯◯は終わった」と言われても、その後上昇することもある
短期の相場予想は、当たるかどうか誰にも分かりません。そして、仮に当たったとしても、長期積立を続ける私にとっては関係のない情報でした。
読後に疲れるだけだった
こうした記事を読んだ後、私はいつも疲れていました。
不安が増し、「自分の判断は正しいのか?」と迷い、結局何も行動できない。そんな状態が続いていました。
今では、煽りタイトルの記事は意識的に避けるようにしています。読まなくなってから、投資判断がずっとシンプルになりました。
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見なくなった情報③:SNSの”成功体験マウント”
利益報告・爆益スクショ
SNSには、投資の成功体験を報告する投稿が溢れています。
- 「今月の利益:+50万円!」
- 「◯◯株が爆上げ!含み益が◯百万円に」
- 「FIREまであと◯年!」
こうした投稿を見ると、私も「すごい」「羨ましい」と感じていました。
自分の軸が揺れる原因になっていた
しかし、こうした投稿を見続けることで、私の投資軸が揺れ始めました。
- 「自分も個別株を買うべきなのか?」
- 「月10万円の積立では足りないのか?」
- 「もっとリスクを取るべきなのか?」
他人の成功体験と自分を比較し、焦りを感じるようになっていました。
他人の結果は自分の判断材料にならない
ある時、気づいたのです。他人の結果は、自分の判断材料にならないということに。
- その人のリスク許容度は私と違う
- その人の目標も私と違う
- その人の投資期間も私と違う
他人の成功体験を見て焦る必要はないのです。自分のペースで、自分の目標に向かって進めばいい。
今では、SNSでの投資情報は必要最小限しか見ないようにしています。他人と比較しなくなってから、投資が楽しくなりました。
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見るようになった情報①:長期データ・統計
短期ニュースより、長期チャート
投資を始めて半年。私が最もよく見るようになったのは、長期データです。
具体的には:
- S&P500の過去50年のチャート
- 世界経済の成長率推移
- インフレ率の長期トレンド
短期的なニュースではなく、「10年・20年でどうだったか」を見るようになりました。
「10年・20年でどうだったか」
長期データを見ると、短期的な暴落や調整局面は、長期チャートの中では「小さなブレ」に過ぎないことが分かります。
2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック。どれも当時は「終わり」と言われましたが、長期で見れば通過点でした。
この視点を持つことで、短期的な値動きに動揺しなくなりました。
感情ではなく、確率で考えるようになった
長期データを見るようになってから、私の思考は「感情」から「確率」にシフトしました。
- 「今は高値だから怖い」→「過去50年、最高値更新後も上昇した確率は高い」
- 「暴落が来たら損する」→「暴落時も積立を続ければ、平均購入単価が下がる」
データに基づいて考えることで、冷静な判断ができるようになりました。
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見るようになった情報②:経済ニュースの”背景”と”構造”
見出しだけで判断しなくなった
以前の私は、経済ニュースを「見出しだけ」で判断していました。
「米国株下落」と見れば、「やばい」と思う。「FRB利下げ」と見れば、「良いニュース」と思う。
しかし、投資を始めてから、見出しの背景にある構造を理解する重要性に気づきました。
金利・インフレ・政策などのつながりを見る
今では、ニュースを見る際に「なぜそうなったのか」「今後どうなる可能性があるか」を考えるようになりました。
例えば:
- 「FRB利下げ」→ なぜ利下げするのか?(景気減速への対応?インフレ鎮静化?)
- 「米国株下落」→ 何が原因か?(金利上昇?企業業績?地政学リスク?)
こうした背景を理解することで、ニュースに振り回されず、自分の投資判断に活かせるようになりました。
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ニュース×投資家視点
経済ニュースを「投資家の視点」で見ることで、情報の質が格段に上がりました。
単なる「事実の羅列」ではなく、「その事実が自分の投資にどう影響するか」を考える習慣がつきました。
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見るようになった情報③:自分の生活・キャッシュフロー
収入・支出・生活防衛資金
投資を始めてから、最もよく見るようになったのは、実は自分の生活です。
具体的には:
- 毎月の収入と支出
- 固定費と変動費のバランス
- 生活防衛資金(現金)の残高
投資のパフォーマンスよりも、「自分の生活が安定しているか」を優先して見るようになりました。
投資より「続けられるか」を優先
投資を始めた当初、私は「リターンを最大化すること」を重視していました。
しかし、半年経って気づいたのは、投資で最も重要なのは「続けられること」だということです。
そのためには:
- 無理のない積立額を設定する
- 生活防衛資金を確保する
- 収入を増やす努力を続ける
こうした「生活の土台」が整っていなければ、どんなに良い投資戦略も続きません。
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情報より現実を見るようになった
投資を始める前、私は「情報」ばかり見ていました。
しかし、今は「現実」を見ています。
- 今月の給料はいくらだったか
- 固定費は削減できているか
- 副業収入は増えているか
こうした現実的な数字を見ることで、投資がより確実なものになりました。
投資の”副作用”としての情報整理
投資を始めたことで「情報を減らす勇気」が持てた
ここが、この記事の最も伝えたいポイントです。
投資を始めたことで、私は「情報を減らす勇気」が持てるようになりました。
以前の私は、「情報は多い方が良い」と思っていました。しかし、実際には:
- 情報が多すぎると判断がブレる
- 不要な情報は不安を増やすだけ
- 本当に必要な情報は限られている
投資を通じて、この事実に気づくことができました。
全部を追わなくていいと気づいた
投資を始める前、私は「全ての情報をチェックしなければ」と思っていました。
しかし、今は違います。全部を追わなくていいのです。
- 毎日の株価は見なくていい
- 短期の相場予想は読まなくていい
- 他人の成功体験は気にしなくていい
必要な情報だけを選び、残りは捨てる。この取捨選択が、投資家としての成長につながりました。
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情報断捨離=投資スキルの一部
投資のスキルというと、「銘柄選定」や「タイミング」を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、私が学んだのは、情報の断捨離こそが投資スキルの一部だということです。
- どの情報を見て、どの情報を見ないか
- どのニュースに反応して、どのニュースを無視するか
この判断ができるようになることが、長期投資の成功につながると実感しています。
まとめ:投資は「お金」より「思考」を変える

投資を始めて半年。私が最も大きく変わったのは、資産額ではなく「思考」でした。
投資を始める前より、今の方が情報に振り回されない
投資を始める前の私は、あらゆる情報に振り回されていました。
しかし、今は違います。見る情報を絞り、必要な情報だけに集中することで、投資判断が安定しました。
見る情報が変わると、行動も安定する
見る情報が変わると、行動も変わります。
- 毎日の株価を見なくなった→売買したい衝動が減った
- 短期予想を読まなくなった→不安が減った
- 長期データを見るようになった→冷静に判断できるようになった
情報の質が、行動の質を決めるのです。
長期投資に必要なのは、知識よりも取捨選択
長期投資に必要なのは、高度な知識ではありません。
必要なのは、情報の取捨選択です。
- 何を見るか
- 何を見ないか
- 何に反応するか
- 何を無視するか
この判断ができるようになることが、長期投資の成功への近道だと実感しています。
まずは「見すぎている情報」を1つ減らしてみませんか?
それだけで、投資がずっと楽になるはずです。
免責事項
本記事は個人の体験と見解に基づく内容です。投資には元本割れのリスクがあり、成果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。
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参考サイト
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」
- 投資信託協会「投資信託の基礎知識」
- 金融広報中央委員会「知るぽると」

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