ドル円150円時代の投資戦略|為替リスクと賢いアセット配置

「また円安が進んでる…」そんなニュースを見るたびに、不安になっていませんか?

2025年、ドル円は再び150円前後での推移が続いています。S&P500やオールカントリーに積立投資をしている20代・30代の皆さんにとって、この為替水準は気になるポイントですよね。

今回は、ドル円150円時代における投資戦略と、私たち若手投資家が考えるべきアセット配置について、最新の専門家見解を交えながら解説します。

目次

ドル円150円は「異常」なのか?歴史的に見た現在地

まず知っておきたいのは、現在のドル円150円水準が、必ずしも異常事態ではないという事実です。

著名エコノミストのエミン・ユルマズ氏は、1ドル150円近辺という水準がニューノーマルとなり、長期的なレンジの中心値として意識される可能性があると指摘しています。

過去を振り返ると:

  • 2024年7月:一時160円を突破し政府介入
  • 2025年3月:146円台まで円高進行
  • 2025年後半:再び150円台で推移

このような上下動を繰り返しながらも、150円近辺を中心とした新しい均衡点が形成されつつあるのが現状です。

参考:野村證券「ドル円見通しを円安方向に修正」(https://www.nomura.co.jp/wealthstyle/article/0477)

なぜ円安が続くのか?3つの構造的要因

「そもそもなぜこんなに円安なの?」という疑問に答えるため、主な要因を整理しましょう。

1. 日米金利差の拡大

最も大きな要因は金利差です。高金利通貨は買われやすく、低金利通貨は売られやすい傾向があります。

アメリカの政策金利が高水準を維持する一方、日本銀行の緩やかな利上げペースでは、当面この金利差は続くと予想されています。

2. 日本の構造的な円需要の低下

エミン・ユルマズ氏は興味深い指摘をしています。「米ドルも円も売られている」状況が続いており、円そのものの信用や魅力が相対的に低下しているというのです。

これは一時的な現象ではなく、日本経済の構造変化を反映した長期的なトレンドの可能性があります。

3. 海外投資の増加

日本の機関投資家や個人投資家による海外資産への投資が増え、構造的に円売りが発生しやすい環境になっています。まさに私たちのS&P500やオルカンへの積立投資も、この流れの一部なんですね。

参考:みずほリサーチ&テクノロジーズ「ドル円相場は2025年末に140円台前半へ」(https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/2025/research_0038.html)

専門家の見通しは?2025年後半から2026年の為替予想

では、今後の為替はどうなるのでしょうか。主要金融機関の予想を見てみましょう。

短期的な見通し(2025年末まで)

みずほリサーチ&テクノロジーズは2025年末にかけて140円台前半への円高を見込んでいます。一方で、野村證券は2025年末のドル円見通しを150円としています。

つまり、専門家の間でも見解が分かれているのが現状です。日本経済新聞の調査でも、6月末時点の相場は8社のうち4社が1ドル=150円台を予想しており、円安水準の継続を見込む声が優勢です。

中長期的な可能性

ただし、以下のようなリスクシナリオも存在します:

  • 円高シナリオ:日銀の追加利上げが予想以上に進む場合、または米国経済の減速懸念が高まる場合
  • さらなる円安:地政学リスクの高まりや、米国の金融政策が予想以上にタカ派的になる場合

重要なのは、為替は予測が困難だということ。どの専門家も確実な予想はできません。

20代・30代投資家が検討できる5つの選択肢

では、私たち若手投資家は具体的にどのような選択肢があるのでしょうか。

1. 積立投資の継続という選択

多くの長期投資家が選んでいるのが、S&P500やオルカンへの積立を継続するという戦略です。

その理由として:

  • 長期投資では為替の上下動が平準化される傾向
  • ドルコスト平均法により、高値でも安値でも買い続けることでリスク分散が期待できる
  • 20年、30年という時間軸で見れば、現在の為替水準は通過点の一つ

「ドル円150円は高すぎる」と感じて投資を一時停止しても、もし160円になったら?逆に140円になっても、その後また150円に戻ったら?タイミングを計ろうとすると、機会損失につながる可能性があります。

S&P500とオルカンどっちがいい?20代投資家が実践する”正解のない選び方”の記事でも触れていますが、どちらを選んでも、続けることが最も重要という考え方があります。

2. 為替ヘッジの考え方を理解する

投資信託には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」があります。

為替ヘッジなし(S&P500、オルカンの大半)

  • 円安→評価額が増える
  • 円高→評価額が減る
  • 長期投資を前提とする場合に選ばれやすい

為替ヘッジあり

  • 為替変動の影響を受けにくい
  • ヘッジコストがかかる(年0.5~1%程度)
  • 短期的な安心感があるが、長期ではコストが積み重なる

20代・30代の長期投資家の間では、「為替ヘッジなし」を選ぶ人が多い傾向にあります。ただし、ヘッジコストは複利で考えると大きな差になる可能性があるため、それぞれの投資方針に合わせた検討が必要です。

3. アセットロケーションの最適化

資産配置において重要なのは、単なる商品選びではなく「どこに何を置くか」という視点です。

NISAの活用例:

  • つみたて投資枠:S&P500またはオルカン
  • 成長投資枠:個別株や高配当ETFなど

特定口座の活用例:

  • 日本株
  • 日本国債(安全資産)

外貨建て資産をNISAで保有すれば、売却時の為替差益も非課税になります。これは長期投資において大きなメリットと言えるでしょう。

【最新版】2026年NISA改正案を徹底解説──「神改正」と呼ばれる理由と投資家が注意すべき3つの落とし穴の記事でも、制度を最大限活用する方法を解説していますので、併せてご参照ください。

4. 評価額の変動に対する心構え

円高が進んで評価額が下がった場合でも、長期投資家の多くは売却を控える傾向にあります。

例えば、積立投資を始めた時のドル円が150円で、現在140円になったとします。この場合、評価額は減りますが、これから積み立てる分は相対的に割安で購入できるという見方もできます。

これが積立投資の特徴の一つです。積立投資だけが救いだった──焦りの投資から学んだ「ブレない運用」の大切さの記事でも触れていますが、長期視点を保つことの重要性が指摘されています。

5. 円建て資産とのバランス

「すべて外国株」という配分にもリスクがあります。適度に日本円での資産も保有するという選択肢があります。

バランスの一例:

  • 外国株(S&P500/オルカン):投資資産の60~80%
  • 日本株:10~20%
  • 現金・預金(生活防衛資金):生活費の6ヶ月~1年分

この比率は、年齢やリスク許容度によって調整する必要があります。20代なら外国株比率を高めに、30代で家族がいる場合は現金比率を多めに、といった考え方があります。

避けたほうが良い3つの行動パターン

最後に、為替に振り回されてやってしまいがちな失敗パターンを紹介します。

パターン1:為替予想で売買タイミングを計る

「150円は高いから一旦売却して、140円になったら買い戻そう」—これは失敗しやすい行動の典型例です。

為替のタイミングを当て続けることは、プロでも困難とされています。むしろ売却時の税金や機会損失で、トータルではマイナスになる可能性があります。

パターン2:円安を利用したレバレッジ取引

「円安を利用して稼げるのでは?」とFXなどのレバレッジ取引に手を出すのはリスクが高い行動です。

FXはレバレッジ取引であり、元本以上の損失が発生する可能性があります。長期的な資産形成を目指す20代・30代には向いていない投資手法と言えるでしょう。

パターン3:不安による積立の中断

「こんな高値で買いたくない」と積立を止めてしまうと、その後の上昇局面があった場合に機会を逃す可能性があります。

積立投資の効果は、「継続すること」から生まれると考えられています。市場が不安定な時こそ、機械的に買い続ける姿勢が重要とされています。

まとめ:為替に振り回されない投資の考え方

ドル円150円時代の投資戦略についてまとめます。

基本的な選択肢:

  1. S&P500/オルカンの積立を継続するという選択
  2. 為替ヘッジなしで長期保有を前提とする方法
  3. 円建て資産とのバランスを考慮する
  4. 短期的な為替変動に過度に反応しない姿勢
  5. NISAなどの制度を活用する

重要な考え方:

  • 為替は予測が困難なもの
  • 長期投資では為替リスクが平準化される傾向
  • 時間を味方につけることが有効とされる

専門家の見解を見ても、為替の将来予測は様々です。みずほは140円台前半を予想し、野村は150円を予想。つまり、誰にも未来は確実には分からないのです。

だからこそ、私たち20代・30代投資家が考えるべき戦略は明確です。それは、為替を過度に気にしすぎず、長期・積立・分散の原則を参考にしながら、自分に合った投資を継続すること

今日も、明日も、ドル円が何円であろうと、淡々と投資を続ける。それが、長期的に資産を築く一つの方法と考えられています。


免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的とするものではありません。記事内で紹介している投資手法や資産配分はあくまで一例であり、すべての投資家に適しているとは限りません。

投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。為替変動により損失が生じる場合もあります。投資判断は必ずご自身の責任において行い、必要に応じて金融の専門家にご相談ください。

執筆者は金融商品取引業者ではなく、本記事の内容について一切の責任を負いません。過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。


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この記事を書いた人

だっちのアバター だっち 会社員投資家

20代後半の会社員投資家です。
「経済的自由=FIRE」を目指し、インデックス投資・個別株・FXを実践中。
初心者にもわかりやすく資産運用の情報を発信しています。
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