はじめに
こんにちは。WBSで気になったニュースを投資家・テクノロジー好き目線で整理するシリーズ、第11回です。
2025年9月、テレビ東京の「WBS トレンドたまご」で「空気から水を作る装置」が紹介されました。
キャッチコピーは「空気から水を生み出す未来技術」。
一見すると夢のような話で、「砂漠でも水が飲めるのか!」「災害時に大活躍するかも!」と胸が躍ります。
しかし内容をよく見てみると、その仕組みは 結露を利用して水を集めるだけ。
僕はこのニュースを見て、正直「ワクワクと失望が半々」でした。
今回はこの技術の実態や課題、そして僕自身の感想を、投資家視点も交えながらじっくり書いていきます。
ニュースの概要
番組で紹介されたのは、空気中の水分を集めて飲料水に変える装置。
- 装置は家庭用冷蔵庫くらいのサイズ。
- 空気を吸い込み、内部を冷却。
- 水蒸気が結露して水滴に変わり、それを集める。
- フィルターを通し、飲める水に仕上げる。
- 災害時や水不足地域での利用を想定。
デモでは実際にコップ一杯の水を取り出す場面があり、「空気から水を作る」というキャッチーな表現が強調されていました。
👉 出典:テレビ東京 WBS トレンドたまご
実態:結露で水を作るだけ
ニュースの見出しだけ聞くと「魔法の技術か?」と思いますが、仕組みはシンプルです。
- 空気を冷却
- 飽和水蒸気量を超えた水分が水滴になる
- それを集める
これは コップに冷たい水を入れると表面に水滴がつく現象=結露 と同じ原理です。
つまり「新しい科学のブレイクスルー」ではなく、「既存技術をパッケージ化した商品」と言えます。
技術的課題
1. 湿度依存
- 湿度が低い地域ではほとんど水が取れない。
- 日本の夏のような高湿度なら効率が良いが、砂漠や乾燥地帯ではほぼ機能しない。
2. 電力消費
- 空気を冷却するにはかなりの電力が必要。
- 災害時、停電下でどう稼働させるのかは課題。
3. 水の安全性
- フィルターで雑菌や汚染物質を除去するとしても、定期的な交換が必要。
- メンテナンスを怠れば逆に不衛生になるリスクも。
4. コスト
- 装置本体の価格が高ければ普及は難しい。
- 電気代やフィルター代を考えると、水道水や市販のミネラルウォーターの方が安い可能性大。
投資家視点での評価
僕が投資家として見るなら、この技術は「面白いけれど、現状では収益化が難しい」と感じます。
- 災害関連株テーマとして注目を浴びる可能性はある。
- ただし、実際に普及するにはコストと効率を劇的に改善する必要がある。
- 市場としては「防災グッズ」「アウトドア商品」「乾燥地帯向けニッチ製品」程度にとどまるかもしれない。
大きなテーマ株に育つには、「効率改善」と「大量生産によるコスト低下」が欠かせません。
社会的意義
災害対応
- 日本は地震や台風による断水リスクが高い国。
- 停電下で動かせるよう改良されれば、備蓄水の補完手段になる可能性。
環境への貢献
- ペットボトル依存を減らせればプラスチック削減につながる。
- ただし現時点では電力消費が大きく、必ずしもエコとは言い難い。
意識の転換
- 「水は買うもの/水道から来るもの」という固定観念を変えるきっかけにはなる。
- 水資源の重要性を考える教育ツールとしては価値があるかもしれない。
僕の感想
正直、このニュースを見て 期待と失望が入り混じる 複雑な気持ちになりました。
ワクワクした部分
- 「空気から水を作る」という言葉のインパクト。
- 災害時に蛇口から水が出なくても、この機械があれば水が飲めるかもという安心感。
- 砂漠や発展途上国での応用を想像すると、夢がある。
失望した部分
- 結局は「結露を集めただけ」だった。
- 技術的には昔からある仕組みで、革新性は薄い。
- 電力や湿度の条件が必要で、「万能な水生成機械」ではなかった。
僕が思う現実的な価値
- 防災グッズとしては意味がある。
- ただし「日常生活を変える革命」ではない。
- 消費者にとっては「買い替え必須」ではなく、「余裕があれば備えに買う」程度。
つまり「水不足解決の救世主」と期待するのは危険。
むしろ「節約のために今回は買わない」という判断が合理的だと僕は思います。
まとめ
- 「空気から水を作る」装置がWBSで紹介されたが、仕組みは結露。
- 実用化には湿度・電力・コストなど多くの課題がある。
- 災害や教育などニッチな用途なら意味がある。
- 僕は「夢の技術」というより「現実的な防災グッズ」として見ている。
- 消費者にとっては買い替え必須ではなく、節約優先で見送ってもいい。
⚠️ 免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定商品・銘柄の購入や投資を推奨するものではありません。判断はご自身の責任でお願いします。
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