はじめに
「投資を始めたいけど、どの口座を選べばいいの?」
この疑問は、投資初心者の多くが抱える悩みです。
本記事は、以下の方に向けて書いています:
- これから投資を始める方
- NISA・特定口座・一般口座の違いが分からない方
- 確定申告が必要かどうか知りたい方
- 長期投資家として最適な口座を選びたい方
投資口座には、NISA、特定口座(源泉徴収あり)、特定口座(源泉徴収なし)、一般口座の4種類があります。
それぞれの特徴と、確定申告が必要なケースを理解することで、自分に合った口座を選べるようになります。
この記事では、NISA・特定口座・確定申告の違いを整理し、長期投資家としてのおすすめ順を解説します。
※本記事は2026年2月時点の情報をもとにしています。税制は変更される可能性があるため、最新情報は国税庁や金融庁のウェブサイトでご確認ください。
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この記事の結論
- NISA:非課税・確定申告不要で最優先
- 特定口座(源泉徴収あり):確定申告不要で使いやすい
- 特定口座(源泉徴収なし):確定申告が必要
- 一般口座:確定申告が必要で手間がかかる
- 長期投資家は「NISA→特定口座(源泉徴収あり)」の順で使うのが最適
投資口座の種類:4つの選択肢
結論から言うと、投資口座には4つの種類があります。
【図表1:投資口座の種類と特徴】
| 口座の種類 | 税金 | 確定申告 | 手間 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| NISA | 非課税 | 不要 | ★☆☆ | ★★★ |
| 特定口座(源泉徴収あり) | 源泉徴収 | 不要(原則) | ★★☆ | ★★☆ |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 自分で納税 | 必要 | ★★★ | ★☆☆ |
| 一般口座 | 自分で納税 | 必要 | ★★★ | ☆☆☆ |
① NISA(少額投資非課税制度)
NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。
特徴:
- 利益が非課税(通常は20.315%の税金がかかる)
- 確定申告不要
- 年間投資枠:つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円
- 非課税保有限度額:1,800万円
メリット:
- 税金がかからない
- 確定申告が不要
- 長期投資に最適
デメリット:
- 損益通算ができない
- 損失の繰越控除ができない
② 特定口座(源泉徴収あり)
特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が自動的に税金を計算・納付してくれる口座です。
特徴:
- 証券会社が自動的に税金を計算・納付
- 確定申告不要(原則)
- 損益通算・繰越控除は確定申告で可能
メリット:
- 確定申告が不要(原則)
- 手続きが楽
- 損益通算・繰越控除をしたい場合は確定申告で対応可能
デメリット:
- 利益に対して20.315%の税金がかかる
③ 特定口座(源泉徴収なし)
特定口座(源泉徴収なし)は、年間取引報告書を証券会社が作成してくれますが、税金の納付は自分で行う口座です。
特徴:
- 証券会社が年間取引報告書を作成
- 確定申告が必要
- 自分で税金を納付
メリット:
- 年間取引報告書があるため、確定申告が比較的楽
デメリット:
- 確定申告が必要
- 税金の納付を忘れるリスク
④ 一般口座
一般口座は、年間取引報告書も証券会社が作成しない口座です。
特徴:
- 証券会社は年間取引報告書を作成しない
- 確定申告が必要
- 自分で損益を計算・税金を納付
メリット:
- 特になし
デメリット:
- 自分で損益を計算する必要がある
- 確定申告が必要
- 手間がかかる
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NISA:非課税・確定申告不要で最優先
結論から言うと、長期投資家にとって、NISAは最優先で使うべき口座です。
NISAのメリット
NISAの最大のメリットは、利益が非課税になることです。
通常、株式投資で得た利益には20.315%の税金がかかります。
例えば:
- 投資元本:100万円
- 運用益:20万円
- 税金:4万円(20万円×20.315%)
- 手取り:16万円
NISAなら:
- 投資元本:100万円
- 運用益:20万円
- 税金:0円
- 手取り:20万円
4万円の差は、長期投資では大きな違いになります。
NISAの注意点
NISAには、以下の注意点があります:
① 損益通算ができない
NISAで損失が出ても、他の口座の利益と相殺(損益通算)できません。
例えば:
- NISA:10万円の損失
- 特定口座:10万円の利益
この場合、特定口座の10万円の利益に対して税金がかかります(損益通算できない)。
② 損失の繰越控除ができない
NISAで損失が出ても、翌年以降に繰り越すことができません。
③ 非課税保有限度額がある
NISAには、非課税保有限度額(1,800万円)があります。
この枠を使い切ると、それ以上はNISAで投資できません。
NISAの使い方
長期投資家として、NISAは以下のように使うのがおすすめです:
- つみたて投資枠:月10万円(年間120万円)
- 成長投資枠:年間240万円
まずはつみたて投資枠を最大限活用し、余裕があれば成長投資枠も使いましょう。
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特定口座(源泉徴収あり):確定申告不要で使いやすい
結論から言うと、NISAの枠を使い切った後は、特定口座(源泉徴収あり)を使うのがおすすめです。
特定口座(源泉徴収あり)のメリット
特定口座(源泉徴収あり)の最大のメリットは、確定申告が不要なことです。
証券会社が自動的に税金を計算・納付してくれるため、手続きが楽です。
確定申告が必要になるケース
ただし、以下の場合は、確定申告をすることで税金を取り戻せる可能性があります:
① 損失が出た場合(損益通算・繰越控除)
特定口座で損失が出た場合、確定申告をすることで、損益通算や繰越控除ができます。
損益通算:
- A証券:50万円の利益(税金10万円が源泉徴収)
- B証券:30万円の損失
確定申告をすることで、A証券で源泉徴収された税金のうち、6万円が還付されます。
繰越控除:
- 2024年:100万円の損失
- 2025年:50万円の利益
- 2026年:50万円の利益
2024年の損失100万円を2025年・2026年の利益と相殺できるため、2025年・2026年は税金がかかりません。
② 複数の証券会社を使っている場合
複数の証券会社で投資をしている場合、損益通算をすることで税金を取り戻せる可能性があります。
③ 配当控除を受けたい場合
配当金に対して配当控除を受けたい場合、確定申告が必要です。
ただし、配当控除を受けることで、かえって税金が増える可能性もあるため、注意が必要です。
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特定口座(源泉徴収なし):確定申告が必要
結論から言うと、特定口座(源泉徴収なし)は、確定申告が必要になるため、初心者にはおすすめしません。
特定口座(源泉徴収なし)のメリット
特定口座(源泉徴収なし)のメリットは、証券会社が年間取引報告書を作成してくれることです。
確定申告が必要ですが、年間取引報告書があるため、比較的楽に確定申告ができます。
特定口座(源泉徴収なし)のデメリット
特定口座(源泉徴収なし)のデメリットは、確定申告が必要なことです。
確定申告を忘れると、税金の納付が遅れ、延滞税がかかる可能性があります。
特定口座(源泉徴収なし)を選ぶべき人
特定口座(源泉徴収なし)を選ぶべき人は、以下のような人です:
- 確定申告に慣れている人
- 所得が少なく、源泉徴収されると損する人(例:学生、主婦)
一般的な会社員の長期投資家には、おすすめしません。
一般口座:確定申告が必要で手間がかかる
結論から言うと、一般口座は、確定申告が必要で手間がかかるため、おすすめしません。
一般口座のデメリット
一般口座のデメリットは、以下の通りです:
- 証券会社が年間取引報告書を作成しない
- 自分で損益を計算する必要がある
- 確定申告が必要
- 手間がかかる
一般口座を選ぶ理由
一般口座を選ぶ理由は、ほとんどありません。
特定口座(源泉徴収あり)を選べば、確定申告が不要で、手続きが楽です。
長期投資家としてのおすすめ順
結論から言うと、長期投資家としては、以下の順番で口座を使うのがおすすめです。
【図表2:長期投資家のおすすめ口座順】
| 順位 | 口座 | 理由 | 年間投資額の目安 |
|---|---|---|---|
| 1位 | NISA | 非課税・確定申告不要 | 年間360万円まで |
| 2位 | 特定口座(源泉徴収あり) | 確定申告不要(原則) | 上限なし |
| 3位 | 特定口座(源泉徴収なし) | 確定申告が必要 | – |
| 4位 | 一般口座 | 手間がかかる | – |
ステップ①:NISAを最優先
まずは、NISAを最優先で使いましょう。
つみたて投資枠:月10万円(年間120万円) 成長投資枠:年間240万円 合計:年間360万円
NISAの枠を使い切るまでは、NISAで投資を続けます。
ステップ②:NISAの枠を使い切ったら特定口座(源泉徴収あり)
NISAの枠を使い切ったら、特定口座(源泉徴収あり)で投資を続けます。
特定口座(源泉徴収あり)は、確定申告が不要なため、手続きが楽です。
ステップ③:損失が出たら確定申告を検討
特定口座で損失が出たら、確定申告を検討しましょう。
損益通算や繰越控除をすることで、税金を取り戻せる可能性があります。
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よくある質問:NISA・特定口座・確定申告
結論から言うと、NISA・特定口座・確定申告に関するよくある質問をまとめました。
Q1. NISAと特定口座、どちらを優先すべき?
A. NISAを優先すべきです。
NISAは利益が非課税になるため、長期投資家にとって最も有利な口座です。
まずはNISAの枠を使い切ってから、特定口座で投資を続けましょう。
Q2. 特定口座(源泉徴収あり)と(源泉徴収なし)、どちらがいい?
A. 一般的な会社員には、特定口座(源泉徴収あり)がおすすめです。
確定申告が不要なため、手続きが楽です。
ただし、確定申告に慣れている人や、所得が少ない人は、特定口座(源泉徴収なし)を選ぶメリットがあります。
Q3. 確定申告は必ずしないといけない?
A. 特定口座(源泉徴収あり)とNISAだけで投資をしている場合、確定申告は不要です。
ただし、損失が出た場合は、確定申告をすることで税金を取り戻せる可能性があります。
Q4. NISAで損失が出たらどうすればいい?
A. NISAで損失が出ても、損益通算や繰越控除はできません。
NISAは利益が非課税になる代わりに、損失も税制上の優遇を受けられません。
ただし、長期投資を続けることで、損失は回復する可能性が高いです。
Q5. 複数の証券会社を使っている場合、確定申告は必要?
A. 複数の証券会社で特定口座(源泉徴収あり)を使っている場合、確定申告は不要です。
ただし、損益通算をすることで税金を取り戻せる可能性があるため、確定申告を検討しましょう。
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ケース別のおすすめ口座
結論から言うと、ケースによって、おすすめの口座が変わります。
【図表3:ケース別おすすめ口座】
| ケース | おすすめ口座 | 理由 |
|---|---|---|
| 投資初心者 | NISA | 非課税・確定申告不要 |
| 会社員(年収500万円以上) | NISA→特定口座(源泉徴収あり) | 確定申告不要で手続きが楽 |
| 学生・主婦(所得が少ない) | NISA→特定口座(源泉徴収なし) | 源泉徴収されると損する可能性 |
| 確定申告に慣れている人 | NISA→特定口座(源泉徴収なし) | 確定申告で柔軟に対応 |
| 損失が出た場合 | 特定口座(源泉徴収あり)+確定申告 | 損益通算・繰越控除で税金を取り戻す |
ケース①:投資初心者
投資初心者は、NISAから始めるのがおすすめです。
NISAは非課税・確定申告不要で、手続きが楽です。
まずはNISAで投資に慣れてから、特定口座を検討しましょう。
ケース②:会社員(年収500万円以上)
会社員(年収500万円以上)は、NISA→特定口座(源泉徴収あり)の順で使うのがおすすめです。
確定申告不要で、手続きが楽です。
ケース③:学生・主婦(所得が少ない)
学生・主婦(所得が少ない)は、NISA→特定口座(源泉徴収なし)の順で使うのがおすすめです。
所得が少ない場合、源泉徴収されると損する可能性があります。
確定申告をすることで、源泉徴収された税金を取り戻せます。
ケース④:確定申告に慣れている人
確定申告に慣れている人は、NISA→特定口座(源泉徴収なし)の順で使うのがおすすめです。
確定申告で柔軟に対応できるため、税金面で有利になる可能性があります。
ケース⑤:損失が出た場合
損失が出た場合は、特定口座(源泉徴収あり)+確定申告がおすすめです。
損益通算や繰越控除をすることで、税金を取り戻せます。
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私の結論:NISA→特定口座(源泉徴収あり)が最適
投資口座には、NISA、特定口座(源泉徴収あり)、特定口座(源泉徴収なし)、一般口座の4種類があります。
長期投資家として、最適な口座の使い方は、以下の通りです:
- まずはNISAを最優先で使う
- NISAの枠を使い切ったら、特定口座(源泉徴収あり)で投資を続ける
- 損失が出たら、確定申告を検討する
NISAは非課税・確定申告不要で、長期投資家にとって最も有利な口座です。
特定口座(源泉徴収あり)は、確定申告が不要で、手続きが楽です。
この2つの口座を使い分けることで、税金面で有利になり、手続きの手間も最小限に抑えられます。
投資口座の選び方を理解し、自分に合った口座を選びましょう。
それが、長期投資で成功するための第一歩です。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、税務アドバイスを目的とするものではありません。税制は変更される可能性があるため、最新情報は国税庁や金融庁のウェブサイトでご確認ください。投資口座の選択や確定申告に関するご不明点は、税務署、証券会社、税理士にご相談ください。
参考リンク
制度の詳細は金融庁・国税庁の公式ページが確実です。

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