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2026年の投資方針を立てる必要はない理由──「今年と同じ」が最良の戦略

目次

はじめに:年始に投資方針を見直す必要はない

新年を迎えると、「2026年の投資方針を立てよう」という情報が溢れます。YouTubeやSNSでは、「2026年の注目銘柄」「今年買うべき投資信託」といった情報が飛び交います。

「今年こそは、もっと良い成績を出したい」そう思う気持ちは、よく分かります。私も、投資を始めた最初の頃は、年始になると「何か新しいことをしなきゃ」と焦っていました。でも、結論から言うと、2026年の投資方針を立てる必要はありません。2025年と同じことを、淡々と続ければいいだけです。

「今年と同じ」が、最良の戦略です。新しい銘柄を探す必要も、資産配分を変える必要も、市場予想を参考にする必要もありません。

この記事で分かること

  • なぜ年始に投資方針を変えたくなるのか
  • 「今年と同じ」でいい理由
  • 変えるべき唯一のケース(収入変動)
  • 著者が2年目に個別株に手を出して失敗した話

なぜ年始に投資方針を変えたくなるのか

年始になると、多くの人が投資方針を見直したくなります。

YouTubeやSNSでは「2026年の市場予想」が大量に発信されます。「日本株は上がる」「米国株は調整局面」といった情報です。こうした情報を見ると、「自分だけ取り残されるのでは?」「何か対策をしなければ」という不安が生まれます。予想が当たるかどうかよりも、「みんなが動いているから、自分も動かなきゃ」という心理が働きます。

また、投資を始めて1〜2年目の人は、「今年こそは、もっと良い成績を出したい」と焦りがちです。2025年の成績が思ったより良くなかった場合、「何か変えなければ」と考えます。でも、1〜2年の成績で投資方針を変えるのは危険です。長期投資では、10年、20年という単位で考える必要があります。

新年は区切りのタイミングです。「新しい年、新しい自分」という気持ちになりやすいです。でも、投資に「区切り」は必要ありません。1月1日も、12月31日も、市場にとっては普通の日です。

2026年の投資方針は「今年と同じ」でいい理由

では、なぜ「今年と同じ」でいいのでしょうか?3つの理由があります。

①市場は予想できない

2026年の市場がどうなるか、誰にも分かりません。日本株が上がるのか、米国株が下がるのか、金利がどうなるのか。プロでも予想できません。

2025年を振り返ってください。年初に「今年は日本株が下落する」と予想した専門家が多くいました。でも、実際には日本株は上昇しました。市場予想は、外れることの方が多いです。予想できない以上、方針を変える意味がありません。2025年と同じ方針を、淡々と続けることが、最も確実な戦略です。

関連記事:【投資の核心】なぜ長期投資では「予想しない人」の方が有利なのか

②方針変更はコストが高い

投資方針を変えると、さまざまなコストがかかります。

銘柄を変更する場合、既存の投資信託やETFを売却する必要があります。売却すると、税金がかかります(NISA口座を除く)。たとえば、100万円の利益が出ている場合、約20万円の税金がかかります。この税金は、方針を変えなければ払わなくてよかったコストです。

また、方針を変えると、「この判断は正しかったのか?」という不安が生まれます。こうした心理的ストレスは、長期投資において大きな障害になります。さらに、方針を変えるためには、新しい銘柄を調べる時間が必要です。方針変更のコストは、想像以上に高いです。

③継続こそが最強の戦略

長期投資では、継続することが最も重要です。オールカントリーのようなインデックスファンドは、世界経済の成長に連動します。世界経済は、短期的には上下しますが、長期的には成長し続けています。2026年も、2027年も、2030年も、同じ銘柄を積み立て続ける。これが、長期投資の正解です。

同じ銘柄を長期間保有することで、複利効果が得られます。毎年、少しずつ資産が増えていき、その増えた分がさらに利益を生みます。方針を変えて銘柄を乗り換えると、この複利効果がリセットされます。継続することで、複利効果を最大化できます。

変えるべき唯一のケース:収入が変わったとき

「今年と同じ」が基本ですが、変えるべきケースが1つだけあります。それは、収入が変わったときです。

昇給したら積立額を増やす

2025年に昇給して、手取りが増えた場合、積立額を増やすことを検討しましょう。たとえば、月の積立額が5万円だった場合、6万円に増やす、という感じです。ただし、銘柄や資産配分は変える必要はありません。オールカントリーを5万円積み立てていたなら、オールカントリーを6万円積み立てればいいだけです。手取りの10〜20%程度を積み立てに回すのが、一般的な目安です。

減収したら積立額を減らす

逆に、減収した場合は、積立額を減らすことも必要です。たとえば、月の積立額が5万円だった場合、3万円に減らす、という感じです。無理をして積立額を維持すると、生活費が圧迫されます。長期投資では、無理なく続けることが重要です。積立額を減らしても、継続することの方が大切です。

銘柄や配分は変えない

収入が変わったとき、「ついでに銘柄も見直そう」と考えがちです。でも、銘柄や資産配分は変える必要はありません。積立額だけを調整して、銘柄はそのままにしましょう。

私が2年目に個別株に手を出して失敗した話

私自身、投資を始めた2年目に、方針を変えて失敗した経験があります。

1年目は、オールカントリーなどのインデックスファンドを中心に積み立てていました。毎月、決まった金額を淡々と積み立てる。シンプルな戦略です。1年目の成績は、特に良くも悪くもありませんでした。市場全体と同じように、少しずつ資産が増えていきました。

2年目になると、「何か新しいことをしたい」という気持ちが芽生えました。YouTubeで「個別株投資」の動画を見て、「自分でも銘柄を選べるようになりたい」と思いました。そこで、インデックスファンドの積立は続けつつ、追加で日本株の個別株を買い始めました。

結果は、失敗でした。個別株は、ほとんど増えませんでした。むしろ、一部の銘柄は下落して、損失が出ました。一方、オールカントリーなどのインデックスファンドは、順調に増えていました。個別株に回した資金を、最初からインデックスファンドに回していれば、もっとリターンが良かったはずです。

この経験から学んだことは、「余計なことをしない」ことの重要性です。オールカントリーなどのインデックスファンドは、世界中の企業に分散投資しています。多くの個人投資家にとっては、個別株を自分で選ぶよりも、インデックスファンドに任せた方が、結果が安定しやすいと感じています。「何かしなきゃ」という焦りで、余計なことをすると、かえって成績が悪化します。

3年目以降は、方針を固定しました。オールカントリーなどのインデックスファンドだけを、淡々と積み立てる。個別株には手を出さない。この方針を固定してから、成績が安定しました。余計なことをしなくなったことで、心理的にも楽になりました。「今年と同じ」を続けることの重要性を、身をもって学びました。

2026年に「やらなくていいこと」3つ

2026年も、余計なことをしないことが重要です。具体的に、「やらなくていいこと」を3つ挙げます。

①銘柄を変える

「2026年は日本株が来る」「米国株から新興国株に乗り換えよう」といった情報を見ても、銘柄を変える必要はありません。オールカントリーのようなインデックスファンドは、世界中の株式に分散投資しています。日本株も、米国株も、新興国株も、すべて含まれています。銘柄を変えなくても、世界経済の成長に連動できます。

銘柄を変えると、タイミングを間違えるリスクがあります。たとえば、「米国株から日本株に乗り換える」と決めて、米国株を売却した直後に、米国株が急騰するかもしれません。逆に、日本株が下落するかもしれません。市場のタイミングを計ることは、プロでも難しいです。

②資産配分を大きく変える

「株式70%、債券30%」という配分を、「株式50%、債券50%」に変更する、といった大きな変更は不要です。資産配分は、自分のリスク許容度に基づいて決めるものです。リスク許容度は、年齢や収入、家族構成などで決まります。これらは、1年では大きく変わりません。2025年に決めた資産配分を、2026年も続けましょう。

「株式70%→75%程度のずれ」は、気にする必要はありません。市場が変動すると、資産配分は自然にずれます。このずれを毎年修正する必要はありません。5年に1回程度、大きくずれた場合に調整すれば十分です。

関連記事:年末にやっておくべき投資の棚卸しチェックリスト(準備中)

③市場予想を参考にする

「2026年の市場予想」を見ても、投資方針を変える必要はありません。市場予想は、当たらないことの方が多いです。予想を参考にして投資方針を変えると、かえって成績が悪化します。予想を無視して、淡々と積み立てを続けることが、長期投資の正解です。

私の2026年の投資方針

私の2026年の投資方針は、2025年と完全に同じです。

銘柄: オールカントリーなどのインデックスファンドを中心に積み立てる。個別株には手を出さない。

積立額: 資金に余裕があるときに、追加で購入する。

資産配分: 株式がメイン、J-REITを一部保有。2025年と同じ配分を維持。

やらないこと: 銘柄を変えない、資産配分を大きく変えない、市場予想を参考にしない、タイミングを計らない。

これだけです。非常にシンプルです。

方針を変えない理由は、「変える必要がないから」です。オールカントリーのようなインデックスファンドは、世界経済の成長に連動します。世界経済は、短期的には上下しますが、長期的には成長し続けています。この方針を、10年、20年と続けることで、資産は増えていきます。

唯一の例外は、収入が大きく変わったときです。もし昇給したら、積立額を増やすことを検討します。逆に、減収したら、積立額を減らすこともあります。ただし、その場合でも、銘柄や資産配分は変えません。積立額だけを調整します。

ここまでの内容を、3行でまとめます

  • 2026年の投資方針を立てる必要はない。2025年と同じことを淡々と続ければいい
  • 変えるべき唯一のケースは収入変動のみ。銘柄や配分は変えない
  • 「何かしなきゃ」という焦りで余計なことをすると、かえって成績が悪化する

まとめ:2026年も、淡々と続ける

新年を迎えると、「今年こそは」という気持ちになります。「新しい銘柄を探そう」「資産配分を見直そう」「市場予想を参考にしよう」そう考える人も多いでしょう。でも、2026年の投資方針を立てる必要はありません。2025年と同じことを、淡々と続ければいいだけです。

「今年と同じ」が、最良の戦略です。新しい銘柄を探す必要も、資産配分を変える必要も、市場予想を参考にする必要もありません。ただ、2025年と同じように、淡々と積み立てを続ける。それだけです。

私自身、投資を始めた2年目に、個別株に手を出して失敗しました。「何かしなきゃ」という焦りで、余計なことをした結果、損をしました。最初からインデックスファンド一本にしておけば、もっとリターンが良かったはずです。この経験から学んだことは、「余計なことをしない」ことの重要性です。方針を固定して、淡々と続ける。これが、長期投資の正解です。

変えるべき唯一のケースは、収入が変わったときだけです。昇給したら積立額を増やす、減収したら積立額を減らす。ただし、その場合でも、銘柄や資産配分は変えません。

2026年も、2027年も、2030年も、同じ方針を続けましょう。新年という区切りに、投資方針を変える必要はありません。投資は、ニュースや予想に振り回されないことが重要です。「2026年の市場予想」「注目銘柄」といった情報は、無視しましょう。長期投資では、一度決めた方針を、淡々と続けることが最も確実な方法です。2026年も、淡々と積み立てを続ける。それだけです。

学んだこと

  • 2026年の投資方針は「今年と同じ」でいい
  • 変えるべきは収入変動時の積立額のみ
  • 「何かしなきゃ」という焦りは失敗のもと
  • 方針を固定することが長期投資の正解

免責事項

本記事は、筆者の個人的な経験と考えに基づいており、特定の投資商品の購入を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断は、ご自身の責任で行ってください。市場の動向や個別銘柄の価格は変動し、元本を割り込む可能性があります。筆者および当サイトは、本記事の内容に基づいて行った投資判断や、その結果生じた損失について、一切の責任を負いません。


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この記事を書いた人

だっちのアバター だっち 会社員投資家

20代後半の会社員投資家です。
「経済的自由=FIRE」を目指し、インデックス投資・個別株・FXを実践中。
初心者にもわかりやすく資産運用の情報を発信しています。
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