2026年4月1日から、NISAのつみたて投資枠で買える投資信託の種類が増えました。金融庁が指定する指数に、読売株価指数(読売333)とJPXプライム150指数が追加されたためです。
「2027年から」と書いてある記事を見かけるかもしれませんが、それは未成年向けの枠の話です。対象商品の拡充のほうはもう適用済みで、実際にファンドも出ています。
この記事では、いま実際につみたて投資枠で買える4本と、2つの指数が何をやろうとしている指数なのかを整理します。金融庁・JPX・運用会社の公表資料にもとづいた2026年9月5日時点の内容です。
この記事の結論
- 2026年4月1日から適用済み。待つ必要はありません
- 金融庁の対象商品一覧(2026年8月31日時点)に載っているのは読売333が3本、JPXプライム150が1本
- 2つの指数は設計思想が正反対です。読売333は333銘柄を約0.3%ずつ均等に、JPXプライム150は150銘柄を浮動株時価総額加重で
- つまり読売333は「広く薄く、大型株に偏らせない」、JPXプライム150は「稼ぐ力のある企業に、規模なりに乗る」
- どちらも日本株です。オルカンやS&P500の代わりではなく、日本株部分の選択肢が増えたという話です
1. 何が変わったのか
つみたて投資枠のインデックス型投資信託は、金融庁が告示で指定した指数に連動するものに限られています。ここに2つの指数が追加されました。
根拠は令和8年度税制改正の大綱(2025年12月26日 閣議決定)で、これを受けた金融庁告示の改正が2026年3月31日に公布、2026年4月1日から適用されています。
同じタイミングで、指定指数に連動しないタイプ(アクティブ型を含む)の要件も緩みました。従来はポートフォリオに占める株式の割合が50%超である必要がありましたが、株式と公社債を合わせて50%超でよくなっています。債券中心やバランス型がつみたて枠に入り得るということです。
同じ告示で、ほかに2つ変わっています
この改正は金融庁の告示「非課税口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に関する基準」の一部改正として行われたもので、2026年3月31日に公布、2026年4月1日から適用されています。指数の追加以外にも、2つ入っていました。
- 一部の指定指数について、他の指定指数との組み合わせが必要という要件が撤廃されました。単独で連動する商品を作れるようになった、ということです
- つみたて投資枠の売買手数料について、定期売却サービスに限り、手数料の徴収が可能になりました。これまで売買手数料はゼロが原則でしたが、取り崩しを自動化するサービスについては例外が認められた形です
2つめはこれから取り崩す世代に効いてくる変更です。積み立てる話ばかりが注目されますが、出口側のルールも動いています。
NISA改正の全体像は別記事にまとめています。あわせてどうぞ。
NISA改正2026まとめ|つみたて投資枠が0〜17歳にも拡大、2027年1月から何が変わるか
2. いま買える4本
金融庁が公表している「つみたて投資枠対象商品届出一覧」(2026年8月31日時点)に載っているのは、この4本です。
| ファンド名 | 連動する指数 | 運用会社 |
|---|---|---|
| SBI 読売333インデックス・ファンド | 読売株価指数(読売333) | SBIアセットマネジメント |
| たわらノーロード 読売333 | 読売株価指数(読売333) | アセットマネジメントOne |
| eMAXIS Slim 国内株式(読売333) | 読売株価指数(読売333) | 三菱UFJアセットマネジメント |
| iFree JPXプライム150 | JPXプライム150指数 | 大和アセットマネジメント |
読売333のほうが3本と多いのが現状です。低コストのインデックスシリーズが出そろっている形で、選びやすさで言えばこちらが一歩先にいます。
信託報酬は必ず比較してください。この記事で数字を確認できたのは1本だけなので、そこだけ出しておきます。SBI 読売333インデックス・ファンドは信託報酬 年0.132%(税込)、購入時手数料なし、信託財産留保額なし、設定日は2026年4月30日です(SBIアセットマネジメントの公表情報)。
ほかの3本については、各運用会社の目論見書で最新の信託報酬を確認してから決めてください。同じ指数に連動するインデックスファンドの場合、差が出るのはほぼコストだけです。
3. 読売333とは──333銘柄を「均等に」持つ指数
読売株価指数(読売333)は、読売新聞社が公表する日本株の指数です。算出は野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングが行い、2025年3月24日に算出を開始しました。まだ新しい指数です。
いちばんの特徴はウエイトの決め方です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構成銘柄数 | 333社 |
| ウエイト | 全銘柄を約0.3%ずつ均等に組入れ(等ウエート) |
| 銘柄の選び方 | 日次平均売買代金(流動性)の上位500銘柄を抽出し、そこから浮動株時価総額の上位333銘柄 |
| 銘柄入替 | 原則年1回(ウエイト調整は年4回) |
| 算出開始 | 2025年3月24日 |
等ウエートというのは、時価総額の大小に関係なく、全部同じ比率で持つということです。トヨタも、333番目の会社も、同じ約0.3%。
これが効いてくる場面があります。TOPIXや日経平均は時価総額の大きい銘柄の影響を強く受けるので、上位数社の値動きで指数がほぼ決まってしまうことがあります。等ウエートならその偏りが小さくなります。
いっぽうで年4回のウエイト調整が必要になります。値上がりした銘柄は比率が上がるので、定期的に均等へ戻す必要があるからです。この点は時価総額加重型にはない手間です。
4. JPXプライム150とは──「稼ぐ力」で選ぶ150社
JPXプライム150指数は、JPX総研が開発した指数です。読売333とは選び方の発想がまったく違います。
JPXの説明によれば、東証プライム市場においてはPBRが1倍を超えている上場企業が約半数にとどまっているという問題意識が出発点になっています。そこで東証プライム市場に上場する時価総額上位銘柄を対象に、2つの観点から選定します。
- 資本収益性:ROE(株主資本利益率)と株主資本コスト(投資者の期待リターン)の差である「エクイティ・スプレッド」
- 市場評価:株価をBPS(1株当たり純資産)で割った「PBR」
ROEが株主資本コストを上回るとエクイティ・スプレッドはプラスになり、株価がBPSを上回るとPBRは1倍を超える。この2つで「価値創造が推定される企業」を選ぶという考え方です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構成銘柄数 | 150銘柄 |
| 算出方法 | 浮動株時価総額加重型 |
| 対象 | 東証プライム市場に上場する時価総額上位銘柄 |
| 選定の観点 | 資本収益性(エクイティ・スプレッド)と市場評価(PBR) |
| 基準日・基準値 | 2023年5月26日・1,000ポイント |
5. 2つは何が違うのか
並べると、この2つはほぼ反対のことをやっています。
| 読売333 | JPXプライム150 | |
|---|---|---|
| 銘柄数 | 333 | 150 |
| ウエイト | 均等(約0.3%ずつ) | 浮動株時価総額加重 |
| 銘柄の選び方 | 流動性と時価総額の大きさ | 稼ぐ力(ROEと株主資本コストの差)と市場評価 |
| 性格 | 広く薄く。大型株への偏りが小さい | 絞って乗る。規模の大きい会社ほど比率が高い |
| つみたて枠の対象本数 | 3本 | 1本 |
どちらが良いかという話ではありません。「日本株を広く持ちたいが、上位数社に振り回されたくない」なら読売333の設計が合いますし、「収益性の高い会社に集中したい」ならJPXプライム150の設計が合います。
6. 買う前に考えておきたいこと
これは日本株です
当たり前のようですが、いちばん大事な点です。オルカンやS&P500の代わりになるものではありません。つみたて投資枠の中で日本株の部分をどうするかという選択肢が増えた、という話です。
すでに全世界株式1本で積み立てている人にとっては、日本株の比率を意図的に増やすかどうかという判断になります。オルカンには日本株も含まれているので、足すと日本株が二重に乗ります。
指数が新しい
読売333の算出開始は2025年3月24日、JPXプライム150の基準日は2023年5月26日です。どちらも長期の実績データがありません。過去数十年の検証ができる指数とは、そこが違います。
「新しい指数だから避ける」必要はありませんが、過去のリターンを根拠に語れないということは知っておいてください。
結局はコスト
同じ指数に連動するインデックスファンドを比べるとき、最終的に差がつくのは信託報酬です。読売333は3本出ているので、ここは必ず比較してください。
まとめ
- 2026年4月1日から適用済み。読売333とJPXプライム150がつみたて投資枠の指定指数に追加されました
- 金融庁の一覧(2026年8月31日時点)で買えるのは読売333が3本、JPXプライム150が1本
- 読売333は333銘柄を約0.3%ずつ均等に。算出開始は2025年3月24日
- JPXプライム150は150銘柄を浮動株時価総額加重で。ROEと株主資本コストの差、PBRで選定
- どちらも日本株。オルカンに足すと日本株が二重に乗ります
- 同じ指数なら差はコスト。目論見書で信託報酬を比較してから決める
免責事項
本記事は2026年9月5日時点の公表資料にもとづく個人の整理であり、特定の金融商品の取得を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。信託報酬・取扱状況・指数の算出方法は変更される可能性がありますので、購入前に必ず各運用会社の交付目論見書と、金融庁の最新の対象商品一覧をご確認ください。
参考にした資料
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品届出一覧」(2026年8月31日時点)
- 金融庁「アクセスFSA」2026年2月号 政策解説「令和8年度税制改正の大綱の概要」
- JPX総研「JPXプライム150指数」(日本取引所グループ公式サイト)
- 野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティング「読売株価指数(読売333)の算出開始について」
- SBIアセットマネジメント「SBI 読売333インデックス・ファンド」